1.ガラス媒体HIP法

(1)HIP処理の問題点   

 ・金属体に圧力と温度を付加し、ワーク金属体の原子空孔濃度を熱力学的規定準位 に到達せしめます。

 ・金属の原子や分子レベル(粒子,結晶粒)の再配列、金属組織の再構築,,安定化が起ります。   

 ・圧力と伝熱の媒体が気体であるので、開放性,連通性の孔が有るワークの場合は金属缶*にいれて HIPします。

    *(canning,capuslating)

  ・ワーク個片毎のカプセル施工−密閉容器製缶,密着挿入,脱気・封止溶接−と脱缶加工が高コストです。       

  ・外周金属缶はHIPの生産性を低下させる大きな要因となります。

  ・粉末冶金法で製造したワークに低コストでHIPすることができません。小物,数量物に適用出来ません。

  ・開発段階で好結果がでても開放孔や合わせ目が有るワークの場合はコストの制約で市場化が実現しません。

(2)溶融ガラスを介して圧力をかける方法が提案されています。

  ・形状品をガラスカプセルに挿入してHIPをします。ガラスの溶融を先行し、昇温してから加圧する点に問題がありました。

  ・ガラスが開放孔や合わせ目の隙間に侵入する点に問題がありました。

(3)ガラス媒体HIP法の提案 *1*2

  ・HIPの初期的段階で、開放孔の孔口や隙間の開口を閉じて−閉口処理−溶融ガラスの侵入を防止します。

  ・ガラスでワークを包摂し、固化体状態で圧力をかける過程−固化体時加圧−をHIP過程に入れます。

  ・ショット,コイニング,鍛金などの加工をワークに付加する予備的閉口処理をいれます

  ・ワークは裸のままランダムor分散状態を管理してガラス粉粒体中に埋設・挿入します。                  

  ・開放孔のある焼成体(空孔率〜50%UP),表面疵のある鋳物にカプセルなしのHIPが可能です。

  ・金属部材を組み立てて相互に固着し−固着体−そのまま裸でガラス媒体HIPをやります。              

  ・ガラス浴用缶は圧力配管用炭素鋼管(規格品)をつかってTIG溶接して作ります。−安価です。

  ・ガラスは割って落としショットをかけます。回生使用します

  ・ガラス媒体≒カプセルフリ−,キャンレス,非封缶HIPが可能です。

  ・但し、HIP後のワークの形状精度にはやや難点があります。矯正を前提とします。創質・準創形技術です。 

(3)ガラス媒体HIP法の利点

  ・個片毎の封缶・脱缶加工が不要で、無駄と無理がありません。

  ・小物,数量品は小ロット化することによって、中小容量HIP炉で処理できます。設備費,運転費を下げます。

  ・粉末冶金製品の圧密化,金属部材の複合一体化にHIPが幅広く安価に適用できます。

  ・金属絞り総形缶ーガラス媒体法で安価な準創形*HIPが可能となります。

    *nns::near net shape

  ・圧粉体+焼成+ガラス媒体HIP法によって、高融点金属の圧密体を安価に製造できます。

  ・低コスト化の観点からは、鋼と鋼を一体化した自動車部品なども視野に入ります。 

     *1 特許4303619      開放孔を有する金属体の処理方法および金属体。  

                      www.j-tokkyo.com/2005/B22F/JP2005-256149.shtml

     *2 特許4585928     金属固着体処理方法。

                      www.j-tokkyo.com/2007/B22F/JP2007-002329.shtml   以上